残暑が続くこの時期、外は蒸し暑く、室内は冷房で冷えやすく、体がだるく感じる方も多いのではないでしょうか。特に高齢の方や夏に体力を消耗しやすい方は、疲労感や食欲不振が長引きやすくなります。そんな「夏バテ」による倦怠感におすすめなのが 清暑益気湯(せいしょえっきとう) です。
清暑益気湯とは?
清暑益気湯は、江戸時代の医師・薛己がまとめた処方をもとにした漢方薬で、夏の暑さで弱った体を回復させるために用いられてきました。
特徴は、「清暑(暑さを冷ます)+益気(気力を補う)」 という名前の通り、体を冷やしすぎずに、疲れた体に元気を取り戻してくれる点です。
どんな症状におすすめ?
夏の疲れが取れず、だるい・やる気が出ない
食欲不振・胃腸の弱り が気になる
冷房や冷たい飲み物で胃腸が冷えてしまった
汗をかきすぎて、体力が落ちている
高齢の方の「夏バテ防止」に
残暑の時期は、気温差や湿気により自律神経のバランスが乱れやすく、こうした症状が重なりやすい時期です。
配合されている生薬の働き
清暑益気湯には約10種類以上の生薬が配合されています。主な働きは次のとおりです。
人参・黄耆:体力を補い、気力を高める
白朮・茯苓:胃腸を整えて、消化吸収を助ける
麦門冬・五味子:潤いを補い、喉の渇きや多汗を防ぐ
陳皮・半夏:胃腸の働きを改善し、食欲不振に効果的
まさに「夏の疲れ+胃腸の不調」にぴったりの組み合わせです。
日常生活の工夫と一緒に
清暑益気湯を取り入れるときは、以下の工夫も一緒に行うとさらに効果的です。
冷たい飲み物の摂りすぎを避ける
室内外の温度差に注意する(冷房はやや控えめに)
消化にやさしい食材(おかゆ、豆腐、白身魚など)を取り入れる
水分補給は常温のお茶や麦茶で
まとめ
清暑益気湯は、残暑の時期に見られる「夏バテの倦怠感」や「胃腸の弱り」に効果的な漢方薬です。体を冷やしすぎずに元気を補ってくれるので、特に高齢の方や夏に疲れやすい方におすすめです。
ただし、持病や他のお薬との兼ね合いがありますので、服用を検討される場合は医師や薬剤師にご相談ください。
残暑を元気に乗り越えるために、漢方の力を上手に活用してみてはいかがでしょうか。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
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