はじめに
夏は暑さで食欲が落ちたり、冷たい飲み物や食べ物の取りすぎで胃腸が弱りやすい季節です。体がだるい、下痢や便秘を繰り返す、食後にお腹が張る……そんな症状を感じたら、それは「夏の胃腸疲れ」かもしれません。
今回は、東洋医学の視点から考える「夏の胃腸の不調に効く薬膳」をご紹介します。
夏の胃腸の不調とは?
夏は以下のような要因で胃腸がダメージを受けやすくなります。
冷たい飲食物の摂取 → 胃腸の冷え、消化機能低下
冷房による外と内の寒暖差 → 自律神経の乱れ
多湿による「湿邪(しつじゃ)」の影響 → 胃のもたれ、下痢、むくみ
寝苦しさによる睡眠不足 → 胃腸のリズムの乱れ
このような不調を「胃腸の機能低下」や「湿邪の停滞」としてとらえ、体内バランスを整えるのが薬膳の役割です。
薬膳の基本方針:健脾・化湿・理気
夏の胃腸ケアにおいて大切なのは以下の3つのポイントです:
健脾(けんぴ):胃腸の働きを高める
化湿(けしつ):余分な水分・湿気を取り除く
理気(りき):気の巡りを整え、胃腸を元気にする
胃腸を助けるおすすめ薬膳食材
①健脾:消化を助け、体力回復にもおすすめ
山芋、かぼちゃ、米、はとむぎ
②化湿:むくみや湿気によるだるさを改善
はとむぎ、とうもろこし、冬瓜、緑豆
③理気:胃の気を巡らせ、食欲を回復
陳皮、生姜、しそ、香菜
夏におすすめ!簡単薬膳レシピ3選
- はとむぎととうもろこしのスープ
材料: はとむぎ、とうもろこし、にんじん、生姜、塩
→ 湿を取り、胃腸を温めてやさしく整える一品。 - 冬瓜と鶏むね肉の煮物
材料: 冬瓜、鶏むね肉、しょうが、みょうが、出汁
→ 胃にやさしく、体内の余分な水分を排出。 - 山芋とかぼちゃのおかゆ
材料: 山芋、かぼちゃ、米、昆布出汁
→ 弱った胃腸にぴったりの滋養強壮薬膳。
注意点:冷たいものとのバランスを
冷たいサラダや飲み物は、できるだけ常温または温かい料理と組み合わせましょう。
食欲がない時は、少量でも栄養価の高いお粥やスープがおすすめ。
まとめ
夏は知らず知らずのうちに胃腸が疲れていることがあります。冷たいものばかりを避け、体の内側から元気を取り戻す薬膳食材を日常に取り入れてみてください。胃腸が元気になると、夏バテや不調も和らぎ、体も心も軽くなりますよ。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
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