冬になると、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)を発症する方が増えることをご存じですか?
特に 寒い朝・入浴時・夜間トイレは脳卒中が起こりやすい時間帯と言われています。
脳卒中は突然発症し、命にかかわるだけでなく、後遺症が残ることが多い病気です。
しかし、一部は 生活習慣や環境を整えることで予防できる病気でもあります。
今日は、冬に脳卒中が増える理由と、日常生活でできる予防法についてお伝えします。
〇 なぜ冬は脳卒中が増えるの?
寒さによって体は次のような変化を起こします。
- 血管が縮む(血管収縮)
- 血圧が急に上がる
- 血液がドロドロになりやすい
- 脱水気味になる(冬でも水分不足)
特に、暖かい部屋と寒い場所の行き来で起こる 急激な血圧変化=ヒートショックは、
脳卒中の大きな引き金になります。
〇要注意!脳卒中のサイン
次の症状が突然出たら、迷わず救急受診を。
- 顔のゆがみ
- 手足の力が入らない、しびれる
- ろれつが回らない、言葉が出ない
- 片目が見えにくい
- 激しい頭痛
- 意識がぼんやりする
「様子を見る」「寝れば治る」は危険です
→ 早い治療ほど後遺症を少なくできます。
〇 脳卒中のリスクが高い方
| 病気・習慣 | リスク |
|---|---|
| 高血圧 | ★★★★★(最重要) |
| 糖尿病・脂質異常症 | ★★★★ |
| 喫煙 | ★★★★ |
| 飲酒習慣(特に寝酒) | ★★★ |
| 運動不足・肥満 | ★★★ |
| 家族歴 | ★★★ |
高血圧は「放置しがちな病気」ですが、脳卒中予防にはもっとも重要です。
〇 今日からできる冬の脳卒中予防
●部屋の温度差を小さくする
- 浴室・脱衣所・トイレを暖める
- 朝の暖房は早めにON
● ゆっくり動く習慣
- 起床後すぐに立ち上がらない
- トイレや入浴前に深呼吸
●こまめに水分補給
- 冬でも脱水になります
- 白湯・温かいお茶がおすすめ
● 血圧管理
- 朝の血圧測定
- 処方薬は自己中断しない
〇 冬におすすめのお茶
| 種類 | 期待される働き |
|---|---|
| 黒豆茶 | 血管を守るポリフェノール |
| 玉ねぎ皮茶 | 血液サラサラ成分ケルセチン |
| しょうが湯 | 循環促進・冷え対策 |
| ルイボスティー | 抗酸化で血管老化予防 |
無理のない範囲で、毎日続けることが大切です。
〇漢方で体質改善をサポート(診察が必要です)
脳卒中リスクがある体質(冷え、むくみ、血流の悪さなど)に使われる代表的な漢方です。
- 桂枝茯苓丸(血の滞り・冷えのぼせ・肩こり)
- 四物湯(貧血傾向・冷え)
- 八味地黄丸(高齢者の冷え・足腰の弱り)
- 防已黄耆湯(むくみ・肥満傾向・水分代謝低下)
漢方は人により相性が異なります。
→ 必ず医師に相談して選びましょう。
〇まとめ:冬は予防のチャンス
脳卒中は突然起こりますが、
●血圧管理
●食事・運動・睡眠
●温度差対策
●体質ケア
これらの積み重ねで、リスクを大きく減らすことができます。
「冷え対策・こまめな水分・血圧管理」
これが冬の脳卒中予防の3本柱です。
気になる症状がある方、血圧が不安定な方、家族歴のある方は早めにご相談ください。