秋は空気が乾燥し、のどや肺の潤いが失われやすくなります。そのため、風邪の後や季節の変わり目に咳が長引くことがあります。薬膳では、肺の陰を補い、潤いを与える食材を取り入れることで、乾燥性の咳を和らげることができます。
1. 秋の咳に効く薬膳食材
(1)梨
- 効能:肺を潤し、のどの乾燥を緩和
- 使い方:スムージー、煮梨、スープに
(2)百合根(ユリネ)
- 効能:肺を潤し、咳や痰を鎮める
- 使い方:煮物、スープ、お粥に
(3)杏仁(アプリコットの種・あんず仁)
- 効能:咳を鎮め、気道の炎症を抑える
- 使い方:スープやデザートに少量使用
(4)ハチミツ
- 効能:陰を補い、のどの潤いを保つ
- 使い方:温かい飲み物に溶かしたり、そのまま服用
(5)白キクラゲ
- 効能:肺と腎を潤し、痰を柔らかくする
- 使い方:スープ、デザート、煮物に加える
2. 秋の咳向けおすすめレシピ
(1)梨と百合根のはちみつスープ
材料(2人分)
- 梨:1/2個(角切り)
- 百合根:30g
- ハチミツ:小さじ1〜2
- 水:300ml
作り方
- 百合根を軽く洗い、ほぐす。
- 鍋に水、梨、百合根を入れ、弱火で15分煮る。
- 火を止めてハチミツを加え、温かいうちにいただく。
ポイント:肺を潤し、咳を和らげる効果があります。寝る前に飲むとより効果的です。
(2)白キクラゲと杏仁の潤いスープ
材料(2人分)
- 白キクラゲ:5g(水で戻す)
- 杏仁:2〜3粒(すりつぶす)
- ハチミツ:小さじ1
- 水:300ml
作り方
- 白キクラゲを水で戻し、適当な大きさに切る。
- 鍋に水と白キクラゲを入れて15分煮る。
- 火を止める直前にすりつぶした杏仁を加える。
- ハチミツを加えて完成。
ポイント:咳や痰を鎮め、喉の潤いを保つので、乾燥性の咳に最適です。
3. 日常生活での咳対策のコツ
- 室内の加湿:空気が乾燥すると咳が悪化するため、加湿器や濡れタオルで湿度を保つ
- 水分補給:白湯やハーブティーをこまめに摂る
- 刺激物を避ける:冷たい飲み物や辛い香辛料は控える
- 睡眠と休養:体を休めることで肺の回復をサポート
秋の長引く咳は、乾燥や肺の陰不足が関係していることが多いです。薬膳では、梨、百合根、白キクラゲ、杏仁、ハチミツなどを取り入れることで、咳を鎮めつつ内側から潤いを補うことができます。温かいスープやデザートとして日常に取り入れると、喉の違和感や乾燥を和らげることができます。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
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