1. 脂質異常症とは
脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が高くなる状態です。
放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。
生活習慣や食事の見直しが予防・改善に大きく役立ちます。
2. 食材選びのポイント
脂質異常症の食事は、以下の3つのポイントを意識すると効果的です。
- 良質な脂肪を取り入れる:血管を守る脂を選ぶ
- コレステロール・飽和脂肪酸を控える:脂身の多い肉やバターなどは控えめに
- 食物繊維で脂を吸着・排出する:血中脂質の上昇を抑える
3. 良質な脂肪とは
脂質は体に必要な栄養素ですが、種類によって体への影響が異なります。
(1) 不飽和脂肪酸
- 多価不飽和脂肪酸:EPA・DHA(青魚)、リノール酸(ナッツ・種子)
→ 血中中性脂肪を下げ、血管を守る - 一価不飽和脂肪酸:オリーブオイル、アボカド、カシューナッツ
→ 悪玉コレステロール(LDL)を下げ、善玉コレステロール(HDL)を増やす
(2) 摂りすぎに注意する脂肪
- 飽和脂肪酸:バター、ラード、脂身の多い肉
→ LDL(悪玉コレステロール)を増やす可能性がある - トランス脂肪酸:マーガリン、加工菓子
→ 動脈硬化のリスクを高める
〇ポイント
良質な脂肪は体に必要ですが、量や種類を意識して取り入れることが大切です。
4. 脂質異常症におすすめの食材
(1) 青魚
- サバ、イワシ、サンマ
→ EPA・DHAを含み、中性脂肪を下げ、血管を守る
(2) 大豆製品
- 豆腐、納豆、豆乳
→ LDL(悪玉)コレステロールを下げ、心血管リスクを軽減
(3) 海藻類
- わかめ、ひじき、昆布
→ 食物繊維が豊富で脂肪の吸収を穏やかにし、便通も改善
(4) ナッツ類
- アーモンド、くるみ、ピスタチオ
→ 良質な脂質と抗酸化物質で血管を守る
(5) 野菜・きのこ
- ブロッコリー、キャベツ、しめじ、舞茸
→ 水溶性食物繊維がコレステロール吸収を抑える
(6) フルーツ
- りんご、ベリー類、柑橘類
→ 食物繊維やポリフェノールで血中脂質を調整
5. 食材の賢い取り入れ方
- 毎食少しずつ:まとめて摂るより、毎食に分ける方が血中脂質を安定させやすい
- 揚げ物・脂っこい食品は控えめ:油の質に注意し、炒め物や煮物で調理
- 食物繊維を意識して:副菜やサラダに海藻や野菜をプラス
- 良質な脂肪を意識的に:青魚やオリーブオイル、ナッツ類を積極的に取り入れる
まとめ
脂質異常症は、食材の選び方と脂肪の質に気をつけることで予防・改善が可能です。
青魚や大豆製品、海藻類を中心に、ナッツや野菜・果物も組み合わせて、良質な脂肪をバランスよく取り入れましょう。
小さな工夫を毎日積み重ねることで、血管を守り、健康な生活をサポートできます。
〇 ワンポイント
良質な脂肪は体に必要ですが、量や摂り方に注意して。
食事だけでなく、運動や生活習慣の改善も血管の健康に重要です。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
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