今回は、インフルエンザについてのいろいろなお話を集めてみました。
インフルエンザは星の影響?
インフルエンザが本格的に流行っています。冬季になると流行るこの質の悪い病気は、ウイルスが原因で起こる呼吸器感染炎だと現在では分かってますが(1933年にインフルエンザウイルス発見)、昔は得体のしれない特に名前はない病気でした。中世、イタリアの占星術士が星の動きが影響していると考え「影響(イタリア語でインフルエンツァ)」と呼んだことが名前の由来だそうです。冬の星々からの邪気や寒気が身体に入り込む、というのも納得できるような気もします。
しばらく前によく耳にした「インフルエンサー」は影響者という意味で、YouTubeやインターネットなどSNSを通じて発信した情報が世間に大きな“影響”を与える人物のこと。インフルエンサーが紹介したものがたくさん売れるなどもあり、企業の販促や広報活動にも活かされています。トップインフルエンサーは、良くも悪くもあっという間に世界中に広まって影響を与えます。インフルエンザの語源と同じですね。
参考
インフルエンザの基本的な情報
(発生状況は9月から4月毎週金曜日に報道発表があります)
インフルエンザに関する報道発表資料(厚生労働省)
インフルエンザの歴史
日本では幕末に「インフルエンザ」という言葉が入り流行性感冒と訳されましたが、「はやり風邪」として「谷風」「お駒風邪」「お染風邪」(1890年から1895年に流行。人気芝居の「お染久松」からのネーミングで、愛する丁稚の久松をどこまでも追いかけていったお染の恋心を強烈な風邪にたとえた。家に入り込まないように「久松留守」と書いた札を玄関に貼るのが流行した)など当時の流行りものや世相を反映した名がつけられていました。1918年から1919年に世界的流行を起こした「スペインかぜ」もインフルエンザです。第一次世界大戦中、米国北西部に始まり3波にわたり世界中で猛威を振るい感染者は全世界で6億人、死者は4000万人から1億人とも。犠牲者に若い健康な成人が多い理由は明らかではなく、軍隊の中で流行り、派兵で国をまたいで蔓延したためとも、高齢者は子供のころに似た種類のウイルスを経験していたためではないかともされています。もちろん当時はウイルスが原因とは知られていませんでした。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科の加地内科クリニック