梅雨時期に「天気痛」や「天気病(気象病)」と呼ばれる頭痛を訴える方が多くなります。これは気圧や湿度の変化が体に影響を与えることが主な原因です。
◎ 原因
- 気圧の低下
梅雨時は低気圧が続き、気圧が下がることで血管が拡張します。
拡張した血管が周囲の神経を刺激し、片頭痛やズキズキした痛みを引き起こすことがあります。
- 自律神経の乱れ
気圧や気温の急な変化が交感神経と副交感神経のバランスを崩し、頭痛・倦怠感・めまいを伴うことがあります。 - 湿度の高さ
湿度が高いことで体内の水分代謝が滞り、むくみや頭重感、緊張型頭痛を感じやすくなります。 - 気象の変化に敏感な体質
気象変化に敏感な人(いわゆる「気象病体質」)は内耳(気圧センサー)や脳の血流の変化に過敏で、症状が出やすくなります。
◎対策
〇 生活習慣で整える
規則正しい睡眠と起床:自律神経のバランスを整えるのに効果的。
軽い運動(ストレッチ・散歩など):血流を促進し、神経の安定に寄与。
十分な水分補給:湿度が高くても発汗は続いており、脱水で血流が悪化すると頭痛を招く。
〇 食養生・薬膳の視点から
気・血の巡りを促す食材を取り入れるとよいです。
おすすめ食材:
香りのよいもの:しそ、生姜、みょうが、ねぎ
利水作用のあるもの:はと麦、冬瓜、とうもろこし、豆類
気の巡りを助ける:陳皮(みかんの皮)、大葉
おすすめの飲み物:
生姜紅茶、ミントティー、陳皮茶、はと麦茶
〇 東洋医学的な対処
頭痛のタイプに応じて「風邪(ふうじゃ)」「湿邪(しつじゃ)」の影響を取り除く漢方薬が用いられます。
処方例:五苓散(ごれいさん)など
原因により、診断し、処方しますのでご相談ください。
〇 その他の対処法
耳周りや首の温め:内耳の圧感受性の働きを穏やかに。
ツボ押し:「風池(ふうち)」「天柱(てんちゅう)」「合谷(ごうこく)」などが頭痛緩和に効果的です。
天気痛アプリの活用:気圧の変化を事前に把握し、予防策を早めに行うのも有効です。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科 加地内科クリニック