だんだんと季節が移り変わるこの時期、「風邪は治ったはずなのに咳だけがずっと続く…」という声をよく耳にします。
実は、長引く咳(慢性咳嗽)は、風邪の後やストレス、体力の低下などさまざまな要因で起こります。そんなとき、西洋薬では抑えきれない咳に、漢方薬がやさしくアプローチしてくれることがあります。
漢方では「咳のタイプ」に注目します
咳とひと口にいっても、
乾いた咳(痰が少ない)
痰がからむ咳
夜に悪化する咳
ストレスで出る咳
など、人によって症状や体質はさまざま。
漢方では、こうした咳の“タイプ”に合わせて処方を選びます。以下に代表的な漢方薬をご紹介します。
◆ 乾いた咳・喉が乾く方に
麦門冬湯(ばくもんどうとう)
→ 喉がイガイガする、空咳が止まらないときにおすすめ。
とくに夜間の咳に効果を発揮します。
◆ 痰が絡む方に
清肺湯(せいはいとう)
→ 黄色く粘る痰が多く、のどに熱感がある咳に効果的です。
◆ 咳が長引いて体力も落ちてきた方に
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
→ 風邪を引いたあと、体力が戻らず咳が続く方に。
倦怠感や食欲不振がある方にもおすすめです。
◆ ストレスや不安で咳が出る方に
柴朴湯(さいぼくとう)
→ 気分が不安定になると咳が出る…という方に向いています。
喘息傾向の方にも処方されます。
咳が長引くときは医師に相談を
咳が続く原因には、
咳喘息
逆流性食道炎
アレルギー性鼻炎
など、放っておくと悪化するものもあります。
2週間以上咳が続く場合は、まず医師の診察を受けてください。
最後に:やさしく体を整える漢方という選択肢
咳が止まらないと、不安になりますよね。
でも、漢方は単に「咳を止める」だけでなく、体のバランスを整え、根本からケアしてくれるもの。
「薬を飲んでも効かない」「眠れないほど咳が続く」などお悩みの方は、一度漢方という選択肢を取り入れてみてはいかがでしょうか?
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科 加地内科クリニック