「食後に胸やけがする」「喉の奥がヒリヒリする」「朝起きたときに酸っぱいものが上がってくる感じがする」——そんな症状に心当たりはありませんか?
それは「逆流性食道炎(GERD)」かもしれません。
■ 逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流し、食道の粘膜を刺激して炎症を起こす病気です。
本来、胃と食道の境目(下部食道括約筋)は逆流を防ぐ働きをしていますが、その機能が弱まると、胃の中身が逆流しやすくなります。
■ 主な症状
胸やけ(みぞおちから喉の方へヒリヒリ・チリチリする感じ)
呑酸(酸っぱい液体が喉まで上がってくる感じ)
胃もたれ、膨満感
喉の違和感、咳、声のかすれ
これらの症状が慢性的に続く場合は、逆流性食道炎の可能性があります。
■ 原因になりやすい習慣
脂っこいもの、甘いもの、アルコールの摂りすぎ
食べ過ぎ、早食い
就寝前の食事
肥満や腹圧の上昇(妊娠・便秘など)
ストレスや睡眠不足
■ 検査と診断
胃カメラ:食道の炎症の有無や程度を確認、
がんなど悪性の病気の診断も
■ 治療法
● 生活習慣の改善が第一歩!
食後すぐ横にならない(最低でも2~3時間あける)
就寝時は上半身をやや高くする
脂っこいものや甘いものは控えめに
適正体重を保つ、腹圧を下げる
● 薬物治療
プロトンポンプ阻害薬(PPI):胃酸分泌を強力に抑える
H2ブロッカー:胃酸分泌を穏やかに抑える
消化管運動改善薬:胃の排出を促進し逆流を防ぐ
● 補助的に使われる治療
漢方薬:六君子湯、半夏瀉心湯など、体質や症状に応じて処方
食養生:胃にやさしい食材(キャベツ、山芋、大根など)を中心にした食生活
■ 最後に
逆流性食道炎は生活習慣の見直しと適切な治療で、改善が期待できる疾患です。
つらい症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
加地内科クリニック