健康・医学

近年注目のビタミンDを積極的に

ビタミンDは骨や歯を丈夫にするのに欠かせません。カルシウムが、小腸で吸収されるのを助けてくれ、さらに骨への沈着を助けてくれるからです。要介護原因にもなる骨粗しょう症(推定患者数約1,300万人)の予防や治療に不可欠です。欠乏すると「くる病」や「骨軟化症」になり骨が変形します。

最近はビタミンDが熱心に研究され、筋力アップにも関わることから転倒・腰痛予防に、また、感染症予防やアレルギーの抑制など免疫バランスを整える、美肌づくりに役立つ、さらにがん予防やうつ病予防につながる可能性も示されているようです。

世界的にも注目されているビタミンDですが、東京で血中ビタミンD濃度を調査してみると専門学会が決めた基準に足りていない人が約98%との結果があります。魚類やキノコなどをあまり食べないことや、いき過ぎた紫外線防御などが影響しているのかもしれません。ビタミンDは食事で摂るほかに、日光を浴びる事でも体内で合成されます

元気で長生き、のためには 魚介類、キノコ類、乳製品をしっかり食べ、適度に太陽にあたること(日焼け止めやガラス越しではなく。緯度や季節によって異なりますが顔と両手の甲くらいの面積を15分間日光に当てるか、日陰で30分間程度過ごすくらい)、をおすすめします。

ビタミンDを多く含む食品例:マイワシ(100gで32.0μg) しらす干し(半乾燥)61.0μg シロサケ33.0μg うなぎのかば焼き19.0μg マイタケ4.9μg きくらげ(乾燥)85μg 鶏卵 卵黄12.0μg(1個16μg) 普通牛乳0.3μg(コップ1杯0.6μg)

1日の目安量は成人で8.5μg(『日本人の食事摂取基準 2020年版』

参考:

『栄養素の通になる 第5版』上西 一弘著(女子栄養大学出版部)

食品成分データベース (mext.go.jp)

『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版』

環境省 紫外線環境保健マニュアル2020 matsigaisen2020.pdf (env.go.jp)

ひとことアドバイス!

紫外線量と血中ビタミンD濃度は相関します。冬はいっそう積極的にビタミンDを摂りましょう。そして緯度の高い地域(たとえば札幌)に住む方は、もりもり魚を食べましょう。

干しシイタケにはビタミンDが多い、と以前はいわれていましたが、近年の干しシイタケは天日干しでないものが多いので、生シイタケを日光浴させてから使えばいいそうです。

近年乳幼児のビタミンD欠乏症が増えています。極端なO脚やけいれんなどです。妊婦さんのビタミンD欠乏や赤ちゃんの完全母乳栄養、アレルギー対応食、日光用不足などが要因と考えられています。赤ちゃん用サプリメントなども医師に相談してみましょう。

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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科の加地内科クリニック

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