健康・医学

慢性腎臓病(CKD) ~高血圧の方が慢性腎臓病(CKD)といわれたら~食養生と治療法

高血圧と動脈硬化がある人で、さらに「慢性腎臓病(CKD)」がある場合、食事療法と薬物療法が必要となります。

そもそもどうして治療が必要なの?
高血圧が続くと、血管に強い圧力がかかり、腎臓の細い血管が傷つく。
動脈硬化で血管がかたくなり、腎臓への血流が悪くなる。
その結果、腎臓の働きがどんどん落ちていく=CKD(慢性腎臓病)
腎臓が悪くなると、血液のごみをうまく出せなくなり、体に毒がたまったり、最終的に透析が必要になることもあります。

食事療法
腎臓を守るには「食事」がとても大事です。以下のポイントが基本です。

血圧を下げる←塩分を減らす(1日6g未満):味噌汁は1日1杯、出汁をきかせる
腎臓の負担を減らす←たんぱく質をとりすぎない(医師の指示により):肉・魚の量は控えめに、ゆでると余分な成分も落ちる
動脈硬化を防ぐ←脂質に注意する(特に動物性脂肪を控える):揚げ物より蒸し料理、青魚はOK
腎臓を守る←カリウム・リン制限(腎機能が悪いとき):野菜はゆでこぼし、加工食品は控えめに
体の毒をためない←水分のとりすぎに注意(腎機能によって調整):医師の指示で水分量を調整

薬物治療
腎臓病と高血圧の人に使われる薬は、以下のような目的で使われます。

〇基本になる薬
ARB・ACE阻害薬:血圧を下げて、腎臓の働きを守る
Ca拮抗薬:血管を広げて血圧を下げる
利尿薬:余分な水や塩分を出す
SGLT2阻害薬:血糖を下げて腎臓も守る(糖尿病がある人に特に有効)スタチン:動脈硬化を防ぐ(脂質を下げる)

④ 日常で気をつけたいこと
体重管理:太りすぎは腎臓にも血管にも負担
運動:軽いウォーキングなどを習慣に
禁煙:タバコは血管を傷つける
定期検診:血圧・尿検査・血液検査で早めに変化を見つける

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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科 加地内科クリニック

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