漢方・薬膳

夏ばて・熱中症予防に【清暑益気湯(せいしょえっきとう)】のおすすめ

暑さが本格的になるこれからの季節、「だるい」「食欲がない」「汗ばかりかいて疲れる」といった夏ばて症状を訴える方が増えてきます。

特に高齢の方や、日中の外出が多い方は熱中症予防にも気をつけたいところですね。

そんな時期におすすめなのが、漢方薬「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」です。

◎清暑益気湯とは?
「清暑益気湯」は、暑さによって消耗した体力(気)や水分(津液)を補いながら、体にこもった熱(暑邪)を冷ます漢方薬です。

中国の古典『温病条弁』に登場し、日本でも江戸時代から夏の体調管理薬として重宝されてきました。

◎こんな症状の方におすすめ
外出後にだるさや脱力感を感じる
暑さで食欲がない、冷たいものばかり飲みたくなる
いつもより汗をかきやすく、息切れしやすい
寝苦しさやのぼせ、軽いめまいを感じる
夏風邪のあと、なかなか体力が戻らない

◎主な構成生薬とその働き
黄耆(おうぎ)・人参(にんじん):気を補い、体力を回復させる
麦門冬(ばくもんどう)・五味子(ごみし):潤いを補い、汗の出すぎを抑える
石膏(せっこう)・竹葉(ちくよう):体の熱を冷まし、のどの渇きを癒す
陳皮(ちんぴ)・甘草(かんぞう)など:胃腸の働きを整え、食欲不振を改善

日中の外出や仕事中に、安心の「夏の守り薬」
清暑益気湯は、夏ばて熱中症の“予防”にも“回復”にも使える万能薬です。

特に次のような場面での活用が効果的です:

日中に屋外作業や外出が多い方の携帯用漢方薬として
室内にいても冷房で体がだるくなる方に
高齢の方の夏の体調管理薬として、夏前からの服用がおすすめ

◎注意点と服用の目安
基本的には体力が低下しやすい虚弱タイプの方に向いています。
冷えやすい方胃腸の弱い方にも比較的使いやすい処方です。
発熱などの症状がある場合は、医師の判断のもと使用を検討しましょう。

◎まとめ
夏の暑さは、知らないうちに体力と潤いを奪います。
冷房・暑さ・水分の摂りすぎや不足が重なると、気と水のバランスが崩れて夏ばてや熱中症を招きます。

清暑益気湯はそんな時期の強い味方。

「暑い日が続くと、どうも体がついていかない」
そんなあなたに、ぜひ一度試していただきたい漢方薬です。

気になる方は、クリニックでお気軽にご相談くださいね。

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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科 加地内科クリニック

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