― 胃腸炎・食中毒が増える季節です ―
寒さがやわらぎ始める初春(2月~3月)は、体調を崩しやすい季節です。
この時期は「おなかの風邪」と呼ばれる胃腸炎に加え、実は食中毒も起こりやすくなる時期でもあります。
冬が終わり安心しがちですが、季節の変わり目こそ注意が必要です。
初春に胃腸トラブルが増える理由
① 寒暖差による胃腸機能の低下
初春は一日の気温差が大きく、
- 自律神経の乱れ
- 胃腸の血流低下
- 消化吸収力の低下
が起こりやすくなります。
その結果、ウイルスや細菌への抵抗力が弱まります。
② 冬の疲れが胃腸に残っている
冬の生活では
- 運動不足
- 食べ過ぎ
- 水分不足
- 体の冷え
が続き、胃腸は知らないうちに弱っています。
そこへ春の環境変化(異動・花粉・ストレス)が加わり、胃腸炎を起こしやすくなります。
感染性胃腸炎だけではありません
初春は「食中毒」にも注意
気温が少し上がり始めるこの時期は、細菌が増殖しやすくなります。
特に注意したい原因:
- 加熱不足の肉・魚
- 作り置き料理
- 長時間室温に置いた食品
- お弁当や総菜
原因菌としては:
- カンピロバクター
- サルモネラ菌
- 黄色ブドウ球菌
- ウェルシュ菌
などがみられます。
春先は「まだ寒いから大丈夫」と油断しやすく、
保存管理の甘さによる食中毒が増える傾向があります。
胃腸炎・食中毒の主な症状
- 吐き気・嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 発熱
- 食欲低下
- 全身倦怠感
特に高齢者では、
脱水 → 腎機能悪化 → 入院
につながることもあり注意が必要です。
胃腸炎・食中毒になったときの対応
最も重要なのは「胃腸を休ませる」こと
無理に食事を取る必要はありません。
まずは:
- 経口補水液
- 白湯
- 少量頻回の水分補給
- 高カロリーゼリー
を中心にしましょう。
※一度に飲むと嘔吐しやすいため、少量ずつが原則です。
回復してきたら
- おかゆ
- 煮込みうどん
- 具の少ない味噌汁
- すりおろしりんご
- やわらかい野菜
を段階的に再開します。
避けたい食品:
- 脂質の多い料理
- 刺身・生もの
- 乳製品
- アルコール
- 冷たい飲食物
漢方的にみた初春の胃腸トラブル
漢方では春は
「肝」が高ぶり、「脾(胃腸)」が弱りやすい季節とされます。
つまり、
ストレス+寒暖差+冷え
→ 胃腸防御力低下
が起こります。
初春の胃腸を守る薬膳
ポイントは
「温めて・整えて・負担をかけない」
おすすめ食材:
- 生姜
- 山芋
- にんじん
- 大根
- かぼちゃ
- 米(おかゆ)
おすすめのお茶:
- 生姜湯
- ほうじ茶
- 陳皮茶
春でも冷たい飲食物は胃腸を弱らせます。
食中毒予防の3原則
① つけない
- 調理前後の手洗い
- 生肉と調理済食品を分ける
② 増やさない
- 作った料理は早めに食べる
- 常温放置を避ける
③ やっつける
- 十分な加熱(中心75℃以上)
- 再加熱の徹底
まとめ
初春は、
- 胃腸炎
- 食中毒
- 体調不良
が重なりやすい季節です。
予防のポイント:
- 胃腸を冷やさない
- 食品管理を徹底する
- 無理に食べない
- 早めの水分補給
「少しお腹の調子が悪い」と感じた段階で休養を取ることが大切です。
嘔吐や下痢が続く場合、発熱や脱水症状がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
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