健康・医学

冬の健康のためにできること①

おうちは18℃以上に

本格的な冬到来、皆さま暖かくされていますか。世界保健機関(WHO)は、冬季に人々の健康を守るための室温として18℃以上を強く推奨しています。案外低いとお感じかもしれませんか、日本家屋の冬のリビング平均室温でそれを満たしているのは1割未満だそうです。高齢者やお子さん、慢性疾患の方、特に心臓や肺の病気がある方はもっと暖かくしていただきたいですね。冬の平均室温が最も高いのが北海道の19.8℃、低いのが香川県の13.1℃。日本の家屋冬の家は寒いのが当たり前、というのは危険な考え方です。寒い家は、血圧上昇やぜんそくの悪化、睡眠の質の悪化、ヒートショック、夜間頻尿さらにはメンタルヘルスにも影響するという指摘もあります。冬季の死亡率の増加にも関連しているとも考えられますので、健康リスクを下げるために暖かい暮らしを心掛けましょう。まずはお部屋に湿温度 計を備えるのもよいかもしれません。

寒さ対策 暮らしのコツ

日本の家の冬の平均室温(2019年調査)は 、居間16.8℃、 脱衣所13.0℃、 寝室12.8℃。居室だけでなく、人のいる部屋だけが暖かいのも危険です。浴室や脱衣所、トイレ、玄関、廊下などでヒヤッとする一瞬も血圧は急上昇します。最近は人感センサー付きのコンパクトな脱衣所暖房機などもたくさんありますね。暖房を入れるときは早めに入れておきましょう。日本の家が寒いのは断熱性能の問題が大きいようですがなかなか改修は難しいところ。日中は日光を取り入れる、カーテンを長く厚手にする、ドアや窓のすき間をテープで埋める、暖房器具を窓の下に置く、窓の前にパネルを置くなど、できる工夫をしましょう。スープなど温かいものを食べる、ショウガや根菜類などからだを温める作用のある食品を摂る(ブログの「冬におすすめのあったか食材」ご参照ください)、腹巻やカイロなどでおなかや腰やおしりを暖める、室内を歩くなど適度な運動を習慣にするなどもよいですね。寒さに負けないようバランスよく食べ、よく眠るのも大切なことです。

参考

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32573794

Indoor Air. 2020;30(6):1317-1328

leaf-temperature

スマートウェルネス住宅等推進調査委員会研究企画委員会調査・解析⼩委員会2022.2.18

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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科の加地内科クリニック

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