日本語で「気」というと
「元気」「気力」など、目に見えない動的なエネルギーだったり、
「気持ち」「気分」といった精神状態・感情を表したりするもの
とされています。
「気」の概念は、古来中国で、自然界の根本的な要素として記述され、
さらに、 宇宙や生命の根本的な力として説明されています。
医学においては、中医学の古典である「黄帝内経」(こうていだいけい)で、
「気」が体内でどのように作用しているのか、その重要性が語られています。
具体的には、人体の健康と病気が「気」の流れに依存しているとされ、以下のように記述されています。
「気は体内を巡り、気が滞れば病が生じ、気が途切れれば痛みが生じる。気が和らぐと体は和らぎ、気が散ると体は緩む。したがって、気を調えることは病を治す根本である」
(黄帝内経 素問・宝命全形論篇)
この節は、「気」が身体全体の機能を支配しており、その流れやバランスが健康状態を左右するという中医学の基本的な理念を示しています。これにより、「気」の滞りや不足、過剰がそれぞれどのような症状や病状を引き起こすのかが説明され、治療の方法や予防策が導かれています。
漢方では、気の量や動きの異常から、病気が引き起こされると考え、
気の量や動きの調整を目標として、病状の治療や予防を目指します。
このように、漢方で基本的な3要素「気」「血」「水(津液)」のひとつである「気」は
漢方治療において、非常に重要な要素であると考えられます。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科の加地内科クリニック