健康・医学

食べ過ぎると危険な脂肪②~過酸化脂質~加工食品や高温調理された食品に注意

過酸化脂質は、脂質分子が酸素と反応して生成されるものであり、通常は加熱や酸化によって生じます。そのため、加工食品や高温調理された食品に多く含まれる傾向があります。

過酸化脂質の多い食品

揚げ物:揚げ物は高温で調理されるため、脂質が酸化しやすく、過酸化脂質が生成されやすいです。フライドチキン、フライドポテト、天ぷらなどが挙げられます。

加工肉ベーコン、ハム、ソーセージなどの加工肉には、加工過程で脂肪が酸化しやすく、過酸化脂質が生成されることがあります。

脂っこい肉:特に高脂肪で脂身の多い赤身の肉(牛肉、豚肉、羊肉など)は、調理時に脂肪が酸化しやすく、過酸化脂質が生成される傾向があります。

加熱調理された油脂:高温で加熱された油脂(揚げ物やフライパンでの炒め物など)にも、過酸化脂質が含まれることがあります。

健康への影響

過酸化脂質は、過剰な量が体内に蓄積すると、細胞や組織に対して損傷を引き起こし、さまざまな病気や疾患のリスクを増加させる可能性があります。以下に、過酸化脂質が関連する病気や疾患を挙げます:

心血管疾患:過酸化脂質は、動脈硬化や冠動脈疾患などの心血管疾患の発症や進行に関与する可能性があります。過酸化脂質によって引き起こされた細胞損傷が、血管内の動脈硬化斑や血栓の形成を促進することが考えられます。

炎症性疾患:過酸化脂質は、炎症性疾患の発症や進行に関与する可能性があります。細胞や組織への損傷が炎症反応を引き起こし、関節炎炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)、自己免疫疾患などの症状を悪化させる可能性があります。

がん:過酸化脂質は、DNAやタンパク質などの細胞内分子にダメージを与え、がんの発症や進行に関与する可能性があります。過酸化脂質による細胞損傷ががん細胞の増殖や転移を促進することが考えられます。

神経変性疾患:過酸化脂質は、神経細胞の損傷や神経炎症の引き起こしに関与する可能性があります。これにより、アルツハイマー型認知症パーキンソン病などの神経変性疾患のリスクが増加すると考えられています。

以上のように、過酸化脂質は様々な病気や疾患の発症や進行に関与する可能性があります。そのため、過酸化脂質は、できる限り避けるのが望ましいと考えられます。過酸化脂質の摂取を減らすためには、できるだけ加工食品や高温調理された食品を避け、代わりに低温調理や蒸し料理、焼き物などの方法を選ぶことがおすすめです。また、バランスの取れた食事を心がけ、新鮮な食材や野菜を多く摂取することも重要です。

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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科の加地内科クリニック

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