― 冷え・生活環境・感染症も関係することがあります ―
寒さが厳しくなる冬は、「頭痛が増えた」「いつもより重く感じる」といった訴えが多くなる季節です。
冬の頭痛は、冷えや生活環境の変化だけでなく、感染症が関係している場合もあります。
「よくある頭痛だから」と我慢せず、原因を知って適切に対処することが大切です。
冬に頭痛が起こりやすい主な理由
① 寒さによる血管の変化
寒い環境では血管が収縮し、血流が低下します。その後の血管拡張により、ズキズキとした頭痛(片頭痛様)が起こることがあります。
② 首・肩のこり
冷えによって筋肉が緊張し、首や肩のこりが悪化します。
この状態が続くと、締めつけられるような緊張型頭痛が起こりやすくなります。
③ 暖房による乾燥・脱水
冬は喉の渇きを感じにくく、水分摂取が不足しがちです。
室内の乾燥による軽い脱水も、頭痛の原因となります。
④ 気圧・寒暖差による自律神経の乱れ
冬は気圧変動や寒暖差が大きく、自律神経が乱れやすい時期です。
これが頭痛や体のだるさにつながることがあります。
⑤ 風邪や感染症の初期症状としての頭痛
風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などでは、発熱が目立たなくても頭痛が先に出ることがあります。
「いつもの頭痛と少し違う」と感じたら注意が必要です。
冬の頭痛を予防する生活のポイント
- 首・肩・頭部を冷やさない(マフラー・ストールの活用)
- 入浴で体を温め、血流を改善する
- 白湯や温かいお茶でこまめに水分補給をする
- 同じ姿勢を続けず、軽く首や肩を動かす
- 十分な睡眠と休養を心がける
漢方や温かいお茶を取り入れた冬の頭痛対策
冬の頭痛は、「冷え」「血流低下」「自律神経の乱れ」が関与していることが多く、
体を内側から温めることが対策のひとつになります。
冬の頭痛に用いられることのある漢方薬
※体質や症状により向き・不向きがあります。使用の際は医師・薬剤師にご相談ください。
● 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
冷えが強く、頭が重く痛む方に用いられることがあります。
● 葛根湯(かっこんとう)
首や肩のこりを伴う頭痛、寒さで悪化する頭痛に使われることがあります。
風邪のひき始めに用いられることもあります。
● 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷えやすく、体調や天候の変化で頭痛が起こりやすい方に選択されることがあります。
冬の頭痛対策におすすめの温かいお茶
- 生姜湯・生姜紅茶:体を温め、血流改善をサポート
- ほうじ茶:体を冷やしにくく、就寝前にも適しています
- なつめ茶:疲れやすい方や自律神経の乱れが気になる方に
※冷たい飲み物は控え、できるだけ温かいものを選びましょう。
こんな頭痛は受診をおすすめします
- 発熱、のど痛、咳、全身のだるさを伴う頭痛
- 今までに経験したことのない強い頭痛
- 日ごとに悪化する頭痛
- 吐き気、しびれ、ろれつが回らないなどを伴う場合
- 市販薬を使っても改善しない頭痛
感染症や他の病気が隠れていることもあります。
まとめ
冬の頭痛は、冷え・血流の低下・乾燥・自律神経の乱れに加え、
風邪などの感染症が関係している場合もあります。
「冬だから仕方ない」と我慢せず、
いつもと違う頭痛や長引く症状があれば、早めにご相談ください。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
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