慢性腎臓病(CKD)に合併する高血圧の治療方針は、腎機能の保護や心血管リスクの低減を目的としています。以下に一般的な治療方針を示します。
① 生活習慣の改善
食事療法:
塩分の制限: 1日あたりのナトリウム摂取量を2,300 mg未満にすることが推奨されます。特に高血圧の患者は1,500 mg以下を目指すことが理想的です。
健康的な食事: 野菜や果物、全粒穀物を多く含む食事を心がけ、飽和脂肪やトランス脂肪を控えます。
体重管理: 健康的な体重を維持することが高血圧管理に役立ちます。
運動: 定期的な運動(例: 有酸素運動)は血圧を下げる助けになります。
禁煙: 喫煙は高血圧や心血管疾患のリスクを高めるため、禁煙が推奨されます。
② 薬物療法
慢性腎臓病(CKD)においては、ACE阻害薬やARBが特に推奨される降圧薬です。これらの薬剤は腎機能の保護に効果があるため、慢性腎臓病(CKD)患者さんにおいて優先的に使用されます。
③定期的なモニタリング
血圧の管理だけでなく、腎機能(クレアチニンやeGFR)の定期的なモニタリングが必要です。また、薬剤による副作用(特にカリウム値の上昇)も注意が必要です。
④個別の治療計画
慢性腎臓病(CKD)のステージや合併症の有無に応じて、個別の治療計画を立てることが重要です。患者ごとに異なるリスク要因や病歴を考慮する必要があります。
結論
慢性腎臓病(CKD)に合併する高血圧の治療は、生活習慣の改善と適切な薬物療法を組み合わせたアプローチが重要です。医師や栄養士と連携し、個別の治療計画を策定することが大切です。
参考:「CKD診療ガイド2024」日本腎臓学会(東京医学社)
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科の加地内科クリニック