春は関節痛が起こりやすくなります。ここではその原因とおすすめ漢方について解説します。。
〇春に関節痛が起こりやすい原因
気温・湿度の変化:春は寒暖差や湿度差が大きい→関節周囲の血流や神経が影響を受ける
気圧変動:春の天気は不安定(低気圧・高気圧の繰り返し)→関節内圧が変化し、痛みを感じやすくなる
代謝の変化:冬に溜まった老廃物が動き始める時期→体内循環が乱れやすく、炎症を誘発しやすい
自律神経の乱れ:春は自律神経が不安定になりやすい→血流障害や筋肉の緊張が起こり、関節痛を悪化させる
持病の悪化:リウマチ、変形性関節症、痛風など→春先の体調変化で症状がぶり返すことがある
〇春の関節痛におすすめの漢方薬
漢方では春の関節痛を「風(ふう)・寒(かん)・湿(しつ)」の影響と考え、巡りをよくし、痛みを除くことを目的に治療します。
独活寄生湯(どっかつきせいとう):関節痛をやわらげる、筋骨を強める→高齢者・慢性の関節痛・冷えを伴うタイプにおすすめ
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):水分代謝を改善し、痛みや腫れをとる→むくみ体質・体が重だるいタイプにおすすめ
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):体を温め、冷えによる痛みを改善→冷えると痛みが悪化する人向け
疎経活血湯(そけいかっけつとう):血行促進、関節のこわばりを改善→動かしにくい・朝方にこわばるタイプにおすすめ
越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう):水腫・炎症を鎮める→関節の腫れ・熱感があるときに使われる
麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう):関節のはれ・痛みをとる→比較的急性の痛みにも対応できる
〇漢方を選ぶときのポイント
冷えると痛みが悪化 → 温める系(桂枝加朮附湯、独活寄生湯)
むくみやだるさが強い → 水の巡り改善系(防已黄耆湯、防風通聖散など)
腫れ・熱感がある → 炎症を抑える系(越婢加朮湯、麻杏薏甘湯)
※注意
漢方薬は「体質」と「症状の特徴」で選ぶのが基本なので、自己判断せず、医師に相談するのがおすすめです。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科 加地内科クリニック