寒い冬、突然の腹痛に襲われることはありませんか?「冷えからくる痛み」と軽く考えがちですが、実は冬に多い腹痛には重大な病気が隠れていることがあります。今回は、冬の腹痛で特に注意すべき病気について解説します。
1. 急性胃腸炎
冬はノロウイルスやロタウイルスが流行しやすい季節です。これらのウイルスに感染すると、激しい腹痛、嘔吐、下痢が起こります。特に小さな子供や高齢者は重症化しやすいため、注意が必要です。
症状:
- 突然の腹痛
- 嘔吐や下痢
- 発熱(特にノロウイルス)
対策:
- 手洗いを徹底する
- 十分な水分補給を心がける
- 食事は消化の良いものを選ぶ
- 症状が続けば早めに医療機関を受診する
2. 急性虫垂炎(盲腸)
虫垂炎は一年中発症しますが、寒い時期には免疫力が低下し、発症リスクが高まると言われています。最初は軽い腹痛から始まり、次第に右下腹部へと痛みが移動するのが特徴です。
症状:
- 右下腹部の持続的な痛み
- 微熱
- 食欲不振
対策:
- 我慢せず、早めに医療機関を受診する
- 強い痛みが続く場合は救急外来へ
3. 胆石症
冬は脂っこい食べ物を摂取する機会が増えます。これが胆のうに負担をかけ、胆石症を引き起こすことがあります。特に食後に右上腹部の激痛が現れる場合は、胆石の可能性があります。
症状:
- 右上腹部の激しい痛み
- 吐き気や嘔吐
- 発熱
対策:
- 高脂肪の食事を控える
- 規則正しい食生活を心がける
- 痛みが続く場合は医療機関を受診する
4. 腸閉塞(イレウス)
寒い時期は運動不足になりがちで、腸の動きが鈍くなることがあります。その結果、腸閉塞を引き起こすことも。腹痛とともに便秘やお腹の張りが続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
症状:
- 腹部の張りや痛み
- 便やガスが出ない
- 吐き気や嘔吐
対策:
- 規則的な運動をする
- 食物繊維を適度に摂取する
- 水分をしっかり取る
5. 腎盂腎炎
寒さが厳しい冬は、膀胱炎から腎盂腎炎へと進行しやすくなります。特に女性はかかりやすく、高熱や腰の痛みが伴う場合は注意が必要です。
症状:
- 高熱
- 腰や背中の痛み
- 頻尿や排尿時の痛み
対策:
- 体を冷やさないようにする
- 水分をしっかり摂る
- 膀胱炎の症状がある場合は早めに治療する
6. 急性膵炎
急性膵炎は、過度な飲酒や暴飲暴食が原因で発症することが多く、特に冬の宴会シーズンに増える病気です。強い上腹部の痛みが特徴で、重症化すると命に関わることもあります。
症状:
- 上腹部の激痛(背中に放散することも)
- 吐き気や嘔吐
- 発熱や黄疸
対策:
- アルコールの摂取を控える
- 脂っこい食事を控える
- 強い痛みがある場合はすぐに医療機関を受診する
冬の腹痛を甘く見ないで!
冬は免疫力が低下し、さまざまな病気にかかりやすい季節です。「ちょっとした腹痛」と軽視せず、症状が続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。日頃から健康管理を心がけ、冬を元気に乗り切りましょう!
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大阪府豊中市 消化器内科・漢方内科の加地内科クリニック