慢性腎臓病(CKD)は、脳卒中などの脳血管障害と深く関係しています。いくつかの要因が絡み合っており、慢性腎臓病(CKD)が進行すると脳血管障害のリスクも高まります。以下にその関係について説明します。
- 脳血管障害のリスク増加
慢性腎臓病(CKD)を持つ人は、脳卒中を発症するリスクが高くなります。研究によると、腎臓の機能が低下すればするほど、そのリスクも増加することがわかっています。 - 慢性腎臓病(CKD)が脳血管に与える影響
高血圧: 慢性腎臓病(CKD)はしばしば高血圧を引き起こしますが、高血圧は脳卒中の主な原因です。腎臓の機能が落ちると、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、高血圧が悪化します。
動脈硬化: 慢性腎臓病(CKD)は血管が硬くなる「動脈硬化」を促進します。動脈硬化が進むと、脳に血液が届きにくくなり、脳卒中のリスクが高まります。腎機能が低下すると、体内で炎症が増え、この動脈硬化をさらに進めてしまいます。
代謝異常: 慢性腎臓病(CKD)では、体内のリンやカリウムのバランスが崩れ、これが脳や心臓の血管に悪影響を与えます。特に、リンが多すぎると脳卒中のリスクが高くなります。
血液凝固異常: 慢性腎臓病(CKD)患者さんでは、血液が固まりやすくなることがあります。これにより、血管内に血栓(血の塊)ができやすくなり、脳血管を詰まらせて脳卒中を引き起こすことがあります。
- 他の病気との関連
慢性腎臓病(CKD)を持つ人は、糖尿病や心血管疾患などの病気も併発していることが多く、これらも脳血管障害のリスクをさらに高めます。 - 予防と管理
慢性腎臓病(CKD)による脳血管障害のリスクを減らすために、以下の対策が重要です。
血圧管理: 高血圧を防ぐため、血圧をしっかりとコントロールすることが大切です。
生活習慣の改善: バランスの良い食事や適度な運動、禁煙が推奨されます。
薬物療法: 医師の指導のもと、降圧薬(血圧を下げる薬)や抗血小板薬(血液を固まりにくくする薬)を使用することが効果的です。
定期的な健康診断: 脳血管障害のリスクを把握するため、定期的な健康診断を受けましょう。
結論
慢性腎臓病(CKD)は脳卒中のリスクを高めるため、早期に発見し、しっかりと管理することが重要です。医師や専門家と相談しながら、適切な治療を行うことが大切です。
参考:「CKD診療ガイド2024」日本腎臓学会(東京医学社)
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科の加地内科クリニック