大腸癌患者さんの腸内細菌の研究では、硫酸還元菌(F. nucleatumなど)が増加しており、菌の産生物質である硫化水素が大腸癌の発がんに関与していると推測されています。
食事と大腸癌との関連を調べた研究では、加工肉やダイエット飲料などの食品は、炎症を引き起こして大腸がんリスクを高め、野菜や豆類などの高繊維食は、大腸がんリスクを下げることがわかっています。
大腸癌患者さんの診断後の食事内容を調べた研究では、食物繊維摂取量の多い患者さんほど、その後の経過がいいという結果でした。
以上より、食物繊維の多い食事を食べている人ほど、大腸癌になりにくく、大腸癌になったあとの経過もいいということがわかりました。
参考:内藤裕二「すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌
基礎知識から疾患研究、治療まで」(羊土社)