慢性肝炎の患者さまの食事療法について
慢性肝炎は、肝臓に炎症や損傷が続いている状態を指します。食事療法は、肝臓の負担を軽減し、症状の進行を遅らせるための重要な対策の一つです。ここでは、慢性肝炎の患者さまが日常の食事で意識して取り入れるべきポイントをご紹介します。
1.バランスの良い食事を心掛ける
肝臓は、栄養の代謝やエネルギーの生成に関わる臓器です。バランスの良い食事を摂取することで、肝臓の働きをサポートします。
主食、主菜、副菜の三大要素を基本とし、必要なビタミンやミネラルをバランスよく摂取することが重要です。
2.塩分を控えめに
塩分の過剰な摂取は、水分の保持や血圧上昇を招くため、肝臓や心臓に負担をかける可能性があります。
加工食品や外食は高塩分傾向にあるので、注意が必要です。
3.アルコールの摂取を控える
アルコールは肝臓に直接的なダメージを与える可能性があります。
慢性肝炎の患者さんは、アルコールの摂取を控えるか、医師のアドバイスに従った上で摂取量を調整することが推奨されます。
4.高脂質の食物を避ける
脂質の過剰な摂取は、肝臓の脂肪の蓄積を招きやすくなります。
揚げ物や高脂質のスナック、ジャンクフードなどは控えめにしましょう。
5.適量のたんぱく質を
たんぱく質は体の修復や免疫機能の維持に必要です。
肝臓の機能が低下している場合、過剰なたんぱく質摂取は避ける必要がありますが、十分な量は確保するよう心掛けましょう。
6.過剰な鉄分の摂取を控える
肝臓は過剰な鉄を蓄積する臓器の一つです。慢性肝炎の患者さんの中には、肝臓への鉄の蓄積が見られる場合があります。肝臓内の鉄の蓄積は、酸化ストレスを引き起こし、肝臓の炎症や線維化を促進し、肝硬変や肝細胞癌のリスクを高めるとされています。
慢性肝炎患者さんにおいて鉄摂取を制限する際は、食品の選択に注意が必要です。高鉄食品には、レバー、貝類、赤身肉などがあります。しかし、鉄は不足すると貧血を引き起こすことがあるため、血液検査での鉄の状態を確認し、摂取制限は医師の指導の下で行う必要があります
7.水分をしっかり摂る
適切な水分摂取は、体のデトックスや代謝のサポートに役立ちます。
特に暑い日や運動後は、十分な水分補給を心掛けましょう。
8.食事のタイミング
3食しっかりとることはもちろん、大量に食べるのを避けるために、小分けにして何回かに分けて食べることもおすすめです。
最後に、食事療法はあくまでサポートの一部であり、定期的な医療チェックや医師のアドバイスが必要です。食事の内容や量について不安や疑問がある場合は、栄養士や医師に相談することをおすすめします。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科の加地内科クリニック