― 体を温め、免疫力を守る食養生 ―
冬は気温と湿度が下がり、体の防御力(免疫機能)が低下しやすい季節です。東洋医学では、冬は「腎」と「陽気」を養うことが重要とされ、体を冷やさず、気血を補い、巡りを良くする食事が風邪予防の基本になります。
ここでは、日常生活に取り入れやすい薬膳の考え方をもとに、冬の風邪対策をまとめます。
なぜ冬は風邪を引きやすいのか(薬膳の視点)
薬膳・漢方では、冬は「寒邪(かんじゃ)」が体に入りやすい季節と考えます。
主な要因は:
- 体表が冷えてバリア機能が低下する
- 乾燥でのど・鼻の粘膜が弱る
- 日照時間低下・活動量低下による気力の低下
- 高齢者では「気虚(ききょ)」傾向が強まりやすい
つまり、温める+潤す+補うが冬の基本戦略です。
風邪予防に役立つ薬膳食材(温める食材)
まず中心になるのは、体を内側から温める「温性・熱性」の食材です。
■ 日常で使いやすい温め食材
- しょうが
- ねぎ
- にんにく
- 玉ねぎ
- にら
- かぼちゃ
- 鶏肉
- 羊肉
- えび
- 味噌
これらは体表の血流を高め、冷えによる抵抗力低下を防ぎます。
特に、
「しょうが+ねぎ+味噌」の組み合わせは、冬の定番の風邪予防スープになります。
免疫力を支える「気」を補う食材
疲れやすい、風邪を引きやすい方は「気虚体質」のことが多く、エネルギー源となる食材を意識します。
■ 気を補う代表食材
- 山芋(長芋・自然薯)
- 大豆製品(豆腐・納豆・味噌)
- 米・雑穀
- 鶏肉
- いも類
- きのこ類
- なつめ
これらは体力・抵抗力の土台を作る食材です。
高齢の方や慢性疾患をお持ちの方には特に重要です。
のど・粘膜を守る「潤す」食材
乾燥は冬の大きなリスク要因です。粘膜の潤いを保つ食材も取り入れます。
■ 潤いを補う食材
- れんこん
- 白きくらげ
- はちみつ
- 梨
- 大根
- 百合根
れんこん・大根は、呼吸器を守る食材として薬膳でよく使われます。
温かいスープや煮物で摂るのが理想です。
冬の風邪予防・おすすめ薬膳メニュー例
実際に取り入れやすい組み合わせを挙げます。
■ しょうが入り鶏スープ
- 鶏肉+しょうが+ねぎ+きのこ
→ 温める+気を補う+免疫サポート
■ 山芋とれんこんの味噌汁
- 山芋+れんこん+味噌
→ 抵抗力+呼吸器保護
■ にら玉あんかけ
- にら+卵+しょうが
→ 温め+栄養補給
■ 大根とはちみつの温ドリンク
→ のどの保護に適する
体質別のポイント
■ 冷えやすい方
- 温かい料理中心
- 生野菜・冷たい飲み物を控える
- しょうが・シナモン・ねぎを活用
■ 疲れやすい方
- 山芋・豆類・鶏肉を増やす
- 朝食を抜かない
■ のどが弱い方
- れんこん・大根・はちみつ
- 乾燥対策+温かい飲み物
漢方薬との組み合わせ(参考)
体質や既往症によっては、次のような漢方が使われます。
- 補中益気湯:疲れやすく風邪を引きやすい方
- 十全大補湯:体力低下が強い方
※体質により適応が異なるため、医師・薬剤師に相談が必要です。
まとめ
冬の風邪予防の薬膳ポイントはシンプルです。
- 体を温める
- 気(エネルギー)を補う
- のどと粘膜を潤す
- 冷たいものを控える
- 温かい汁物を増やす
日々の食事を少し整えるだけでも、風邪への抵抗力は確実に変わります。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
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