健康・医学

熱中症にご注意を~熱中症の対策と治療

急に暑さが厳しくなり、熱中症に注意する季節となりました。ここでは、熱中症の対策と治療について解説しましょう。

熱中症とは?
高温多湿の環境で体温調節がうまくできなくなり、体に熱がこもることで起こる障害です。軽症でも早めの対処が大切です。

予防・対策
こまめに水分補給

 ・のどが渇く前に少しずつ飲みましょう。

 ・汗をたくさんかいたときは、塩分も補給(経口補水液や梅干しなど)。

涼しい環境を意識

 ・室内ではエアコン・扇風機を活用。

 ・外出時は帽子・日傘・通気性のよい服装を。

暑さに慣れることも大切

 ・急に暑くなる時期は特に注意し、無理せず徐々に体を慣らしましょう。

体調を整えておく

 ・睡眠不足や疲れ、食欲不振は熱中症のリスクを高めます。

漢方での予防・治療の考え方
漢方では、熱中症は「暑邪(しょじゃ)」という外邪が体に侵入し、「気」や「津液(体の水分)」を消耗することで起こると考えます。

予防におすすめの漢方薬(体質に応じて医師と相談を)

疲れやすく汗をかきやすい→補中益気湯(ほちゅうえっきとう):胃腸を助け、体力をつけて夏バテ予防に
むくみ・水分がたまりやすい→五苓散(ごれいさん):体内の水分バランスを整える。軽い熱中症の初期にも使用
暑さでだるい・のぼせ→清暑益気湯(せいしょえっきとう):夏の体力低下に。清熱と補気の両方に対応

※体質に合わないと逆効果になる場合があるため、医師にご相談ください。

熱中症の症状と治療
軽度:めまい、立ちくらみ、汗が止まらない→涼しい場所で休み、水分・塩分を補給。五苓散が効果的なことも。
中等度:頭痛、吐き気、全身のだるさ→安静にし、補水・冷却を。改善しなければ受診を。
重度:意識障害、けいれん、高熱→すぐに救急車を! 医療機関で点滴・冷却治療が必要。

応急処置のポイント
涼しい場所に移動

衣服をゆるめる・脱がせる

首・脇・足の付け根を冷やす(保冷剤や冷水ペットボトル)

意識がある場合は水分・塩分をゆっくり補給

意識がない/おかしいと感じたら すぐ救急車!

特に注意が必要な方
高齢者(暑さを感じにくい)

小さな子ども(体温調節が未熟)

屋外で働く人や運動する人

糖尿病・心臓病など持病のある方

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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科 加地内科クリニック

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