脂質異常症(血液中のコレステロールや中性脂肪が高い状態)は、動脈硬化を進め、脳や心臓に悪影響を及ぼすことがあります。また、高齢になると認知症のリスクも高まります。
そこで注目されているのが「スタチン」というお薬です。スタチンは悪玉コレステロール(LDL)を下げることで、さまざまな病気のリスクを下げてくれる働きがあります。
スタチンはどんな病気を予防してくれるの?
1. 脳血管障害(脳卒中)の予防
スタチンを使うと、脳卒中のリスクが17〜23%減ることが分かっています。
動脈硬化を防ぐことで、脳の血管を守り、脳卒中を起こしにくくしてくれます。
2. 心血管障害(心筋梗塞など)の予防
スタチンは、心臓の血管にできる動脈硬化も防ぎます。その結果、心筋梗塞などのリスクを約27%減らせることが研究で示されています。
3. 認知症の予防
最近の研究では、スタチンを使うと認知症やアルツハイマー病のリスクも下がる可能性があることが分かってきました。特に、長くしっかり服用することで、最大で約38%リスクを減らせることも報告されています。
どうやってスタチンを使うの?
- スタチンは自分の判断で飲む薬ではなく、必ず医師の指示のもとで服用します。
- コレステロールの数値や年齢、生活習慣、他の病気とのバランスを見て、医師が最適な量や種類を決めます。
- 副作用が出ることもありますが、多くは軽く、定期的な血液検査でチェックできます。
まとめ
脂質異常症の方にとって、スタチンは
- 脳卒中を防ぐ
- 心筋梗塞を防ぐ
- 認知症のリスクを下げる
という大きなメリットがあります。
医師の指導のもとに、生活習慣の改善(食事・運動・禁煙)と合わせて、スタチンを活用することが、健康を守る力になります。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
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