「しっかり寝ているのに疲れが取れない」
「寒くなると、何をするにもおっくう」
「食後に特にだるくなる」
冬になると、こうした「疲れやすさ」を訴える方が増えてきます。
漢方では、この状態を単なる体力低下ではなく、季節による体のエネルギー不足として考えます。
冬に疲れやすくなる理由(漢方の視点)
冬は、体のエネルギーを「蓄える季節」です。
この時期に無理をすると、次のようなバランスの乱れが起こりやすくなります。
- 腎:生命力・回復力の低下
- 脾:食事からエネルギーを作る力の低下
特に高齢の方では、
「腎の弱り」+「胃腸の弱り」
が重なり、疲れが抜けにくくなります。
冬の疲れやすさに多いタイプ
① 体が冷えて疲れるタイプ
特徴
- 手足が冷たい
- 朝からだるい
- 温めると楽になる
考え方
体を温める力が不足し、エネルギーが十分に巡っていません。
② 食後にどっと疲れるタイプ
特徴
- 食後に眠くなる
- 胃もたれしやすい
- 下痢や軟便がある
考え方
消化吸収を担う「脾」の働きが低下しています。
③ 気力が出ず、何もする気がしないタイプ
特徴
- 気分が沈みがち
- 動くのがおっくう
- 眠りが浅い
考え方
エネルギー(気)と血の不足が背景にあります。
冬の疲れにおすすめの薬膳
基本の考え方
- 温める
- 補う
- 胃腸に負担をかけない
これが冬の薬膳の基本です。
おすすめ食材(毎日の食事に)
◎ エネルギーを補う食材
- 米、もち米
- 山芋、かぼちゃ
- 鶏肉、白身魚
◎ 体を温める食材
- 生姜、ねぎ
- 玉ねぎ
- シナモン
◎ 回復力を支える食材
- 黒豆、黒ごま
- なつめ
- くるみ
取り入れやすいメニュー例
- 鶏肉と根菜の温かいスープ
- 山芋入り雑炊
- かぼちゃの煮物
- なつめ入りおかゆ
冷たい飲み物・生野菜・甘いお菓子の摂りすぎは控えめにしましょう。
薬膳+漢方という考え方
食事は毎日続ける「体調管理」。
一方、漢方薬は不足している部分を補い、回復を助ける治療です。
冬の疲れやすさでは、次のような漢方薬が使われることがあります。
- 補中益気湯
- 十全大補湯
- 六君子湯
※体質や病気によって適切な処方は異なります。
自己判断での服用は避け、医師にご相談ください。
冬の疲れをためない生活のコツ
- 夜更かしを避ける
- 湯船につかり体を温める
- 食べすぎ・飲みすぎを控える
- 「がんばりすぎない」
まとめ
冬の疲れやすさは、年齢のせいだけではありません。
体を温め、胃腸をいたわり、エネルギーを補うことで、
無理なく元気を取り戻すことができます。
「最近疲れが取れないな」と感じたら、
まずは食事と生活を少し見直すことから始めてみましょう。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
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