冬になると、「鼻水・鼻づまり・くしゃみ」といった鼻風邪の症状を訴える方が増えてきます。
特に冷えやすい季節は、体表の防御力が弱まり、寒邪(冷え)が鼻や喉から侵入しやすくなります。
薬膳の考え方では、鼻風邪の初期は「温めて発散させる」ことが基本です。
今回は、ご家庭で取り入れやすい冬の鼻風邪におすすめのあったか薬膳をご紹介します。
冬の鼻風邪の特徴(薬膳的視点)
- 透明で水っぽい鼻水
- 鼻づまり、くしゃみ
- 寒気、首や肩のこわばり
- 体が冷えると症状が悪化
これらは「寒邪」による症状と考えられ、体を内側から温め、巡りを良くする食材が適しています。
鼻風邪におすすめのあったか薬膳食材
① 生姜(しょうが)
体を芯から温め、発汗を促します。
鼻づまりや寒気のある初期症状に特におすすめです。
取り入れ方
- すりおろし生姜を味噌汁やスープに少量加える
- 生姜湯(はちみつ入りも可)
② ねぎ
発散作用があり、寒邪を外に追い出す働きがあります。
白い部分を中心に使うのがポイントです。
取り入れ方
- ねぎたっぷりのスープ
- ねぎ+生姜+鶏肉の簡単鍋
③ 葛根(くず)
体表を温め、風邪のひき始めに向いています。
冷えからくる鼻水・頭重感がある方に適しています。
取り入れ方
- 葛湯として飲む
- 料理のとろみ付けに葛粉を使用
④ 大根
鼻や喉の通りを良くし、余分な水分を調整します。
加熱すると体を冷やしすぎません。
取り入れ方
- 大根と生姜の煮物
- 大根入りスープ
⑤ シナモン・八角などの温性スパイス
血流を促し、体を温めます。
冷え体質の方の鼻風邪に向いています。
取り入れ方
- 紅茶にシナモンを少量
- 煮込み料理に八角をほんの少し
簡単おすすめ薬膳メニュー
ねぎと生姜のあったか鼻風邪スープ
材料(1杯分)
- ねぎ(白い部分)…適量
- 生姜…少々
- 鶏ガラスープ(またはだし)
- 塩・しょうゆ 少量
ポイント
・熱々をゆっくり飲む
・首元・お腹を冷やさない
・食後は早めに休む
避けたい食べ物・習慣
- 冷たい飲み物、アイス類
- 生野菜のとりすぎ
- 体を冷やす果物(柑橘のとりすぎなど)
- 夜更かし、入浴不足
まとめ
冬の鼻風邪は、早めに体を温めることが何より大切です。
症状が軽いうちから、薬膳の知恵を取り入れることで、悪化を防ぎ、回復を早めることが期待できます。
「ただの鼻風邪」と油断せず、
温かい食事・十分な休養・冷やさない工夫を心がけましょう。
症状が長引く場合や、発熱・黄色い鼻水が出る場合は、早めに受診してください。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
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