健康・医学

脂肪肝と肝硬変や肝癌の関係について

脂肪肝、特に非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)が肝硬変や肝癌へ進行するリスクについては、段階的な監視が必要となります。

1.脂肪肝から肝硬変への進行:
NAFLDの中でも、特に非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は肝炎と肝細胞の傷害を伴う状態です。NASHから炎症と線維化が進行すると、肝硬変へと進展するリスクがあります。NASHが肝硬変へ進行する確率は、約20%とされています。

リスク因子:
肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症などが存在する場合、肝硬変への進行リスクが高まります。

2.肝硬変から肝癌への進行:
肝癌のリスク:

肝硬変は、肝癌(特に肝細胞癌)の発症リスクが高くなります。肝硬変がある方で肝癌が発生する確率は年間約1-5%と報告されています。

定期検査の重要性:

肝硬変の診断を受けた患者さまは、定期的な肝癌スクリーニングが推奨されます。通常は超音波検査とアルファフェトプロテイン(AFP)の血液検査を6ヶ月ごとに実施し、異常が見られた場合にはさらなる診断が行われます。

予防と管理
生活習慣の改善: 食事の改善、定期的な運動、適切な体重管理により、NAFLDの進行を抑えることができます。

薬物治療: 進行したNAFLDやNASHに対しては、肝機能を保護し、炎症反応を抑制する薬物治療を考慮します。

定期的な経過観察: NAFLDやNASHの診断を受けた場合、定期的な肝機能検査と肝臓の超音波検査やCTなどの画像診断が重要です。

NAFLDやNASHから肝硬変、そして肝癌への進行は段階的であり、早期の介入によってリスクを軽減することが可能です。適切な診断と管理が重要となります。

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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科の加地内科クリニック

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