― 腎臓を守る治療がここまで進んでいます ―
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の働きが少しずつ低下していく病気です。初期にはほとんど症状がありませんが、進行すると透析や腎移植が必要になることもあります。
しかし近年、腎臓を守る治療が大きく進歩しました。
今回は、患者さんに知っておいていただきたい「最新のCKD治療」について、解説します。
CKD治療の目標は「進行を止めること」
現在のCKD治療の最大の目的は、
- 腎機能の低下をできるだけゆっくりにする
- 心筋梗塞や脳卒中などの合併症を防ぐ
- 透析をできるだけ回避・延期する
ことです。
早期から適切な治療を始めることで、将来のリスクを大きく減らせることがわかっています。
① SGLT2阻害薬 ― 腎臓を守る中心的なお薬
もともとは糖尿病の薬として開発されましたが、現在では糖尿病がなくてもCKDに有効であることが証明されています。
代表的なお薬
- フォシーガ
- ジャディアンス
期待できる効果
- 腎機能の低下スピードを遅らせる
- 尿蛋白を減らす
- 心不全の予防
腎臓の中の圧力を下げることで「腎臓を休ませる」作用があります。
現在のガイドラインでも強く推奨されています。
② フィネレノン ― 新しい腎保護薬
代表薬
- ケレンディア
これは非ステロイド性MRAと呼ばれる新しいタイプの薬です。
特に有効な方
- 糖尿病を合併しているCKD
- アルブミン尿(尿蛋白)が出ている方
腎臓の炎症や線維化を抑える働きがあります。
③ GLP-1受容体作動薬 ― 心臓と腎臓を守る
代表薬
- オゼンピック
- トルリシティ
糖尿病治療薬ですが、
- 体重減少
- 心血管イベント予防
- 腎機能悪化抑制
などの効果が確認されています。
糖尿病を合併しているCKD患者さんでは重要な選択肢です。
④ 血圧管理は今も最重要
従来から使われている
- ACE阻害薬
- ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)
は現在も基本治療です。
血圧を適切にコントロールすることが、腎臓を守る第一歩です。
⑤ 食事療法もアップデートされています
以前は「厳しく制限する」ことが中心でしたが、現在は
- 個々の腎機能に合わせたたんぱく質調整
- 減塩(1日6g未満が目標)
- カリウム・リンの管理
など、無理なく続けられる個別化治療へと変わっています。
⑥ 早期発見が何より大切
CKDは
- 尿検査(尿アルブミン)
- 血液検査(eGFR)
で早期発見が可能です。
症状がないからといって安心せず、定期検査を受けましょう。
まとめ
現在のCKD治療は
● 血圧管理
● SGLT2阻害薬
● フィネレノン
●GLP-1受容体作動薬
などを組み合わせて腎臓を守る時代に入りました。
早めに治療を開始すれば、将来の透析リスクを大きく減らせます。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
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