漢方・薬膳

薬膳~冬の時期にかぜをひいてしまったときの薬膳

― 回復を早めるための食養生のポイント ―

冬は寒さと乾燥の影響で、どうしても風邪を引きやすい季節です。しっかり予防していても、体力低下や冷え、疲労の重なりで発症することがあります。
薬膳の考え方では、風邪は「外から入った邪気(寒邪・風邪)」と「体の抵抗力低下」が重なって起こると考えます。

大切なのは、
無理に食べることよりも、“状態に合わせて整える”ことです。

ここでは、症状段階別にわかりやすくまとめます。


まず基本:風邪のときの食養生ルール

  • 温かいものを中心にする
  • 消化にやさしい調理法にする(煮る・蒸す・スープ)
  • 冷たい飲食物は避ける
  • 甘いもの・脂っこいものは控える
  • 水分はこまめに温かい形で補給

特に発熱時は「栄養をつけなければ」と無理に食べさせるより、消化負担を下げることが優先です。


ひき始め(寒気・ぞくぞく・軽いのど痛)の薬膳

この段階は「寒邪が体表にある」状態。
発汗と体表の巡りを助ける食材を使います。

■ おすすめ食材

  • しょうが
  • ねぎ
  • しそ
  • にんにく少量
  • シナモン
  • みょうが

■ おすすめメニュー

しょうがねぎスープ
刻みねぎ+しょうが+鶏ガラスープ

しょうが入り味噌汁
体を温め、回復を助けます。

しょうが紅茶・しょうが湯
早期対応として有効です。


発熱・のどの痛み・だるさがある時

熱が出ている時は「戦っている状態」。
温めすぎよりも、潤しながら負担を減らす食事にします。

■ おすすめ食材

  • 大根
  • れんこん
  • はちみつ
  • 豆腐
  • 白きくらげ

■ おすすめメニュー

大根スープ
消化が軽く、のどにもやさしい

卵入り雑炊
エネルギー補給+吸収が良い

れんこんスープ
呼吸器のサポート食材


咳・痰が出るときの薬膳

咳は「肺の乾燥」や「炎症」が関係します。
潤しながら整えます。

■ おすすめ食材

  • れんこん
  • 白きくらげ
  • はちみつ
  • 百合根
  • 杏仁(食材として)

■ 簡単レシピ

れんこんすりおろしスープ
のどの保護に適します。

はちみつ大根
角切り大根+はちみつを数時間
→ 咳ケアの定番民間食養生

※1歳未満の乳児には蜂蜜は不可。


食欲がない時の対応

無理に食べる必要はありません。
以下を少量ずつ。

  • おかゆ
  • 具なしスープ
  • 葛湯
  • 薄味の雑炊
  • 湯豆腐

**「温かい水分+少量エネルギー」**で十分です。


回復期(熱が下がってきたら)

ここからが重要です。
体力と免疫を補い、ぶり返しを防ぎます。

■ 回復期のおすすめ食材

  • 鶏肉
  • 山芋
  • かぼちゃ
  • きのこ
  • なつめ
  • 黒ごま

■ メニュー例

鶏と山芋のスープ
かぼちゃ粥
きのこたっぷり雑炊

「気」と「血」を補うイメージです。


漢方薬との併用(参考)

症状と体質により:

  • 葛根湯:ひき始め・寒気
  • 麻黄湯:悪寒が強い
  • 小青竜湯:水っぽい鼻水・咳
  • 麦門冬湯:乾いた咳
  • 補中益気湯:回復期の体力低下

※持病や服薬中の薬との関係があるため、医療機関での確認が必要です。


まとめ

風邪のときの薬膳は段階対応が基本です。

  • ひき始め → 温めて発散
  • 発熱期 → 軽く・潤す
  • 咳期 → 肺を守る
  • 回復期 → 体力を補う

特にご高齢の患者さんでは、消化負担を減らすことが回復スピードに直結します。
無理をせず、「温かく・やさしく・少量」を意識した食養生を心がけましょう。

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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科 

楽な胃カメラ・大腸内視鏡の加地内科クリニック

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