― 冷えやすい季節こそ「胃腸ケア」が大切です ―
冬は寒さの影響で体が冷えやすく、血流や消化機能が低下しやすい季節です。
特に胃腸は「冷え」に弱く、食欲不振・胃もたれ・下痢・便秘などの不調が起こりやすくなります。
東洋医学では、冬は「腎」を養う季節とされますが、同時に胃腸(脾・胃)を守ることが全身の健康維持につながると考えられています。
今回は、冬におすすめの「胃腸を整える薬膳」をご紹介します。
冬に胃腸が弱りやすい理由
- 冷たい空気でお腹が冷える
- 血流が低下し、消化吸収力が落ちる
- 年末年始の食べ過ぎ・不規則な食事
- 運動量の低下による腸の動きの低下
特にご高齢の方では、「少し冷えただけ」で胃腸症状が出やすくなります。
冬の胃腸ケアの基本ポイント(薬膳の考え方)
①「温める」ことが最優先
冷えは胃腸の大敵です。
体の内側から温める食材を意識しましょう。
② 消化にやさしい調理法を
生もの・冷たいものは控えめにし、煮る・蒸す・温かい汁物を中心に。
③ 胃腸を補う食材を選ぶ
東洋医学では「脾(ひ)」を補う食材が胃腸を元気にするとされます。
冬におすすめの胃腸を整える薬膳食材
■ 体を温め、消化を助ける食材
- 生姜:胃腸を温め、食欲不振・冷え腹に
- ねぎ:冷えによる腹痛や下痢の予防
- にんにく(少量):胃腸の働きを助ける
■ 胃腸にやさしい根菜類
- 大根:消化を助け、胃もたれを軽減
- 人参:脾を補い、疲れやすさにも◎
- かぼちゃ:冷えによる胃腸虚弱におすすめ
■ 胃腸を補う食材
- 白米・おかゆ:胃腸を休ませ、回復を助ける
- 山芋(長芋):消化吸収力を高める
- 豆腐・白身魚:負担が少ない良質なたんぱく源
冬におすすめの簡単薬膳メニュー
◎ 生姜入りおかゆ
→ 胃腸を休めながら体を内側から温めます。
◎ 大根と人参のやわらか煮
→ 消化を助け、胃もたれ予防に。
◎ かぼちゃの煮物
→ 冷えやすい方、食後の疲れが出やすい方に。
胃腸が弱っているときの注意点
- 冷たい飲み物は控える
- 夜遅い食事・早食いを避ける
- 痛み止めや刺激の強い薬で胃が荒れやすい方は要注意
- 症状が続く場合は、無理せず医療機関へ相談を
まとめ
冬の胃腸トラブルは、「冷え」と「消化力低下」が大きな原因です。
薬膳の考え方を取り入れ、
温かく・やさしく・消化しやすい食事を心がけることで、胃腸は自然と整っていきます。
「なんとなく胃腸の調子が悪い」「冬になると食欲が落ちる」
そんな時こそ、日々の食事から体を整えていきましょう。
※症状が強い場合や長引く場合は、漢方薬やお薬の調整が必要なこともあります。お気軽にご相談ください。
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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科
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