健康・医学

心不全といわれたら、早めに受診しましょう

~早めの気づきと治療で、元気な毎日を守りましょう~


1.心不全とは?

心臓の働きが弱くなり、全身にうまく血液を送れなくなる状態です。
その結果、息切れ・むくみ・だるさなどの症状があらわれます。
「心臓が止まる病気」ではなく、ゆっくり進む慢性の病気です。
早期発見・継続治療で長く元気に過ごすことができます。


2.こんな症状はありませんか?

心不全のサインは、ちょっとした体の変化に隠れています。
次のような症状が続くときは、早めにご相談ください。

体のサインよくある症状の例
息切れ階段や坂道で息が苦しい、夜に息がつまる
むくみ足首やすね、指のむくみが取れない
体重の増加ここ数日で2~3kg増えている
疲れやすい立ち上がりや家事がしんどくなった
食欲低下食べられない、胃が張る感じがある
尿の量が減ったむくみや息苦しさが増えている場合も

3.心不全の治療は進歩しています

最近は、薬の進歩で心不全の予後が大きく改善しています。

主な治療薬の種類

  • SGLT2阻害薬:腎臓の働きを助け、心臓の負担を軽くします
  • β遮断薬・ACE阻害薬・ARB:心臓を休ませて長持ちさせます
  • MRA(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬):むくみや心臓の線維化を防ぎます
  • 利尿薬:余分な水分を体の外に出して、息苦しさを改善します

これらを組み合わせて使うことで、息切れの軽減や再入院の防止につながります。
最近は「フィネレノン」(ケレンディア)、「ダパグリフロジン」(フォシーガ)、「エンパグリフロジン」(ジャディアンス)など、高齢者や糖尿病の方にも使いやすい新薬も登場しています。


4.日常生活で気をつけたいこと

項目ポイント
食事塩分は1日6g未満を目安に。汁物はとりすぎに注意。
運動無理のない範囲で毎日こつこつ。散歩・ストレッチも効果的です。
体重毎朝同じ時間に測り、急な増加(2kg以上/3日以内)は注意!
水分医師の指示に合わせて。むくみや息苦しさがあれば控えめに。
「調子がよいから」と自己判断で中止しないでください。
定期受診血液検査・心エコー・腎機能チェックを続けることで、悪化を防げます。

5.早めの受診が安心につながります

「年のせい」「疲れかな」と思っているうちに、
心不全は静かに進むことがあります。
早めのチェックで、入院や再発を防ぐことができます。

こんなときは、すぐご相談ください

  • 息切れやむくみが急に強くなった
  • 夜、横になると苦しくて眠れない
  • 体重が急に増えた
  • 食欲が落ちて元気が出ない


6.当院の取り組み

当院では、
・循環器科医師による心エコー検査、診療
・管理栄養士による減塩食など、食事の指導・相談
・漢方による併用治療
も行っており
心不全の早期発見・治療・生活支援に力を入れています。


7.まとめ

心不全は「うまく付き合っていく病気」です。
怖がるよりも、早く気づいて、上手に治療を続けることが大切です。
私たちは、みなさまが笑顔で日々を過ごせるよう、
チームでサポートいたします。

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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科 

楽な胃カメラ・大腸内視鏡の加地内科クリニック

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