健康・医学

春の胃腸の不調への対策は?


春になると、胃腸の不調を訴える人が増えることがあります。これは季節の変わり目に体と心が影響を受けやすいためで、いくつかの原因が考えられます。

原因
【1】自律神経の乱れ
春は寒暖差が大きく、気圧も不安定 → 自律神経が乱れやすくなる。
ストレスが胃酸の分泌や腸の運動に影響。
胃もたれ、下痢、便秘、腹部膨満などが起こりやすい。

【2】花粉やアレルギー反応
花粉によるアレルギー性胃腸炎(花粉症の一部として)。
食べ物に対する交差反応(OAS: 花粉-食物アレルギー症候群)も原因に。

【3】食生活の変化
新年度や花見などのイベントで暴飲暴食しがちに。
生ものや脂っこいものの摂取が増える。
食事リズムの乱れ。

【4】肝気の乱れ(中医学的に)
春は「肝」(自律神経)が活発になる季節。
肝の気が過剰になると消化器を攻撃するため、 食欲不振・下痢・腹部不快感が生じます。

治療・対策
【1】生活習慣の見直し
規則正しい食事と睡眠

腹八分目を意識

食べすぎ・早食いを避ける

【2】食養生(薬膳)
おすすめ食材:
胃のムカつき・食欲不振 :山芋、白ごま、じゃがいも、米粥
下痢 :にんじん、れんこん、梅干し、干し椎茸
胃痛・胃もたれ :キャベツ、生姜、セロリ、三つ葉

春におすすめの薬膳素材:
陳皮(ちんぴ):胃の気を整え、膨満感に。

(ジャスミン茶などに混ぜるといいでしょう)

【3】漢方薬(症状に応じて)
六君子湯:胃腸虚弱・食欲不振に。
半夏瀉心湯:胃のつかえ、腹部の違和感に。
加味逍遥散:ストレス性の胃腸症状、女性のPMSなどにも。
柴胡桂枝湯:肝気鬱結タイプで、ストレスやイライラを伴う胃の不快感に。

【4】運動とリラックス
軽い運動(散歩・ストレッチ)で自律神経を整える。
深呼吸・瞑想・森林浴なども効果的。

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豊中市上野東 消化器内科・漢方内科 加地内科クリニック

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