健康・医学

薬膳~冬の寒い時期に免疫力を高める薬膳と漢方

~食事と漢方で、風邪・感染症に負けない体づくり~

冬は「免疫力」が落ちやすい季節です

寒さと乾燥が強まる冬は、

  • 血流が悪くなる
  • 胃腸の働きが低下する
  • 体力・抵抗力が落ちやすい

その結果、風邪・インフルエンザ・感染症にかかりやすくなります。

東洋医学では、冬は「腎(じん)」を養い、
体を温め、エネルギー(気・血)を補うことが免疫力アップの基本と考えます。


薬膳の基本① 体を内側から温めましょう

冷えは免疫力低下の大敵です。

体を温める代表的な食材

  • 生姜:血流を促し、冷え・風邪予防
  • ねぎ・玉ねぎ:体を温め、のど・鼻の不調に
  • にんにく:免疫力を高め、疲労回復にも
  • シナモン(少量):手足の冷え対策に

みそ汁やスープに少し加えるだけでも効果的です。


薬膳の基本② 免疫の土台「気(き)」を補う

免疫力は、東洋医学では「気(体のエネルギー)」と深く関係します。

気を補う食材

  • 鶏肉:体力回復、病後の養生に
  • 山芋:胃腸を整え、疲れにくい体へ
  • かぼちゃ:栄養豊富で風邪予防
  • もち米:体を温め、エネルギー補給に

「鶏肉と野菜のスープ」「山芋入りみそ汁」は冬の薬膳の基本です。


薬膳の基本③ 乾燥対策でのど・肺を守る

乾燥は、咳・のど痛み・感染症リスクを高めます。

乾燥を防ぐ食材

  • 白ごま:のど・皮膚の乾燥予防
  • はちみつ:咳・のどの違和感に
  • れんこん:粘膜を守り、咳対策に
  • 梨(加熱がおすすめ):乾燥による咳を和らげる

きのこ類は冬の免疫サポーター

  • しいたけ・しめじ・えのきなどは
    腸内環境を整え、免疫機能を支えます。

鍋料理・スープで毎日少量ずつが理想的です。


薬膳+漢方薬の組み合わせで、より効果的に

食事だけでは補いきれない場合、体質に合った漢方薬を併用すると効果的です。


◆ 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

こんな方に

  • 疲れやすい
  • 風邪をひきやすい
  • 食後にだるくなる
  • 夏バテ・冬の体力低下がある

働き

  • 胃腸を元気にし、免疫力の土台を強化
  • 「気」を補い、感染症に負けにくい体へ

相性のよい薬膳

  • 鶏肉、山芋、かぼちゃ
  • 温かいスープ・みそ汁

「食欲がない・元気が出ない」タイプにおすすめです。


◆ 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

こんな方に

  • 高齢の方
  • 病後・手術後の体力低下
  • 冷えやすく、顔色が悪い
  • 貧血気味・疲れが抜けない

働き

  • 「気」と「血」を同時に補う
  • 体力・免疫力を底上げする漢方

相性のよい薬膳

  • 鶏肉、牛肉(少量)
  • 黒ごま、なつめ、温野菜

「とにかく体力が落ちている」方に向いています。


◆ その他、体質によって使われる漢方

  • 人参養栄湯:冷え・貧血・皮膚乾燥が強い方
  • 六君子湯:胃腸虚弱で食欲不振の方

※漢方薬は体質や持病によって選択が必要です。


今日からできる冬の免疫習慣

  • 冷たい飲み物を避け、温かいお茶・白湯
  • 朝食をしっかりとる
  • 冷え・疲れが強い場合は、早めに漢方を相談

まとめ

  • 冬の免疫力アップの基本は
    「温める」「補う」「乾燥を防ぐ」
  • 薬膳に、体質に合った漢方薬を組み合わせることで
    より安定した体調管理が可能です
  • 無理をせず、日々の積み重ねが大切です

※漢方薬は体質・併用薬によって注意が必要な場合があります。
使用をご希望の方は、ご相談ください。

------------------------
豊中市上野東 消化器内科・漢方内科 

楽な胃カメラ・大腸内視鏡の加地内科クリニック

関連記事